親に聞いておきたいこと:思い出の50の質問と声の残し方
要点:親に聞いておきたいことのうち、このガイドで扱うのは、親の子ども時代、仕事、結婚、子育てなど人生の話です。お金や介護、医療のことは、最後に短くまとめました。質問は「楽しかった?」より「どんな家に住んでた?」のように具体的にすると、話が広がります。下に、時期やテーマごとに50の質問を用意しました。自分史の質問集としても使えます。答えはスマホで、1回30秒から2分ほどの短い録音にして、帰省のたびに少しずつ残しましょう。録音の前には毎回、親に了解をもらいます。Dear Momentなら、ボイスメモを録音すると文字起こしもでき、選んだ人とだけ共有できます。
時期やテーマごとの50の質問
全部を一度に聞く必要はありません。帰省や電話のたびに、1つか2つ選んで聞きましょう。話が弾まない質問は飛ばして、次に進みます。「はい」「いいえ」で終わる質問より、「どんな」「どうやって」で始まる質問の方が、具体的な話が出てきます。質問は親に話しかける言い方で書いています。「お父さん」「お母さん」は、家での呼び方に変えてください。
子どものころ
- 子どものころ、どんな家に住んでた?部屋はいくつあった?
- 近所では、どんな遊びをしてた?
- おじいちゃんとおばあちゃんって、どんな人だった?よく言われてたことはある?
- 家でよく叱られたのは、どんなこと?
- いちばん古い記憶って何?
- お小遣いはもらってた?何に使ってた?
- 夏休みは、どう過ごしてた?
学校と若いころ
- 学校まではどうやって通ってた?どれくらいかかった?
- 好きだった教科は何?今でも覚えてる先生はいる?
- 部活は何をやってた?
- 学校の帰りに、よく寄り道したところはある?
- 若いころ、どんな音楽を聴いてた?今でも歌える歌はある?
- 修学旅行はどこに行った?
- 二十歳のころは何をしてた?何になりたかった?
仕事
- 最初の仕事は何だった?どうやって決めたの?
- 初任給で、何を買った?
- 仕事の日は、朝から夜までどんな一日だった?
- 仕事でいちばん大変だったことは?どうやって乗り切った?
- いちばん楽しかった仕事は何?
- 仕事で覚えたことで、今も役に立ってることはある?
出会いと結婚
- お父さん(お母さん)とは、どこで出会ったの?
- 最初に会ったとき、どう思った?
- 初めてのデートはどこに行った?
- 結婚式はどんなだった?いちばん覚えてることは?
- 結婚して最初に住んだのは、どんなところ?
- どんなことでけんかしてた?どうやって仲直りしてた?
子育て
- 私が生まれた日のこと、覚えてる?
- 私の名前は、どうやって決めたの?
- 私は小さいころ、どんな子だった?
- 子育てでいちばん大変だったのは、どんなとき?
- 私が小さいころの話で、よく覚えてるのはどんなこと?
- 子育てのやり方で、昔と今でいちばん違うのは何だと思う?
- 孫が生まれるって聞いたとき、どう思った?
家族の味と行事
- 子どものころ、お正月には何を食べてた?おせちは誰が作ってた?
- うちの卵焼き、どうやって作るの?分量は目分量でいいから教えて。
- 子どものころ、いちばんのごちそうは何だった?
- お盆には、親戚はどこに集まってた?
- 運動会のお弁当には、何を入れてくれてた?
- 地元のお祭りは、どんなだった?
- 家族で毎年やってたことで、これからも続けてほしいことはある?
今のこと
- 最近、楽しみにしてることは何?
- 今だから話せることってある?
- 人生でいちばん大きな決断は何だった?
- 二十歳の自分にひと言かけるなら、何て言う?
- 孫たちに伝えたいことはある?
孫から聞く質問
親は、大人になった子どもに話すときと、5歳の孫に話すときとで、答え方が変わります。孫に1つ質問してもらい、その答えを録音しましょう。1本の録音に、親の声と孫の声が一緒に残ります。敬老の日や、お正月、お盆の帰省がよい機会です。
- おばあちゃん、子どものころ、どんなおもちゃで遊んでた?
- おじいちゃん、昔の小学校ってどんなだった?
- おばあちゃん、ママが小さいとき、どんな子だった?
- おじいちゃん、子どものころ、いちばん好きだった食べものは?
- おばあちゃん、子どものころに歌ってた歌、歌って。
話を広げる聞き方
1回の録音には、よい質問が1つあれば足ります。大事なのは、答えのあとにもう一つ聞くことです。「それで、どうなったの?」「そのとき、いちばん困ったのは何?」と続けましょう。話が途切れても、すぐに次の質問をしないでください。少し待つと、細かい話が出てくることがよくあります。
古いアルバムを一緒に開くのも一つの方法です。写真が1枚あると、「これはどこ?」「隣にいるのは誰?」と自然に話が始まります。
自分史ノートのように、親が質問に自分で答えを書き込むノートもあります。書くのが好きな親には合っています。そのうえで、いくつかの答えは録音もしておきましょう。録音には、笑い方や間の取り方、話し方の癖が残ります。
このガイドを書いた理由
私とNargizが小さいころ、母は遅くまで働いていたので、私たち姉妹を主に育ててくれたのは祖母のNeneでした。ごはんを作り、学校のことを話してくれて、私たちをとても大切にしてくれました。ふたりとも、祖母ととても仲良しでした。
祖母は、夢でロナウドに会ったという話をよくして、笑わせてくれました。祖母の笑い方や、起きたことを受け入れるようにという助言を、今も覚えています。祖母は昨年亡くなりました。写真はありますが、声の録音は1つもありません。
長いインタビューより短い録音
親の話を残す方法としてよく紹介されるのは、質問リストを用意して、静かな部屋で1時間ほど話を聞くインタビューです。うまくいく家族もあります。ただ、改まったインタビューは後回しになりやすく、試されているように感じる親もいます。
短い録音なら、親も自分も気が楽です。1回30秒から2分ほどで、機会があるときに録ります。お正月の食卓で、ビデオ通話の途中で、親が孫を抱っこしているときに。短い録音は、1時間の録音よりあとで探しやすく、聞き直しやすくもあります。
1962年の春、村の集会所で開かれたダンスパーティーでした。あの人は、最初は私の姉を誘ったんです。姉が断ったので、私のところに来ました。足を2回も踏まれましたが、次の曲もまた一緒に踊りました。
スマホで録音するときのコツ
マイクも特別なアプリもいりません。スマホのボイスメモと静かな部屋、それにちょっとしたコツがあれば十分です。
- 毎回、録音の前に了解を:何のための録音かを伝えましょう。「孫に聞かせたいから。どこにも公開しないよ」のように言います。こっそり録音するのはやめましょう。
- スマホはテーブルの上に:腕を伸ばしたくらいの距離に、画面を下にして置きます。マイクのように口元に向けると、たいていの人は緊張します。
- 静かな場所:テレビやラジオを消し、冷蔵庫や換気扇、窓から離れます。台所は声が響きやすく、ソファや座布団のある部屋の方が向いています。
- 最初の10秒の確認:続ける前に、冒頭を再生して確認しましょう。その場で気づけば、すぐに録り直せます。家に帰ってからでは、録り直しはできません。
- 時間帯:疲れやすい親なら、元気な時間帯に短く録ります。
- 話のあとも録音を続ける:話が終わったあとの笑い声や、「そうそう、それとね」、日付をめぐる言い合いが、いちばんよい部分になることがよくあります。
- 日付と話す人:録音の最初に言うか、録音のすぐあとに書いておきます。あとで探すときに役立ちます。
質問のほかに録っておきたい声
短いものから始めましょう。すぐに録れて、しかも録り忘れやすいものです。
- 笑い声:狙って録るのは難しいので、話が終わっても録音を続けます。
- 孫の名前を呼ぶ声:親だけが使う呼び方やあだ名も一緒に。
- 電話の第一声と、別れぎわのことば:電話に出るとき、切る前に、親がいつも言うひと言です。
- 歌や子守歌:特に、自分が子どものころに歌ってもらった歌や、親が子どものころに覚えた歌。
- 声で話すレシピ:書いたレシピではなく、「ひとつかみ」「味を見ながら」が入った、いつもの作り方です。
- 孫に読む絵本:子どもが寝る前に、何度でも聞けます。
- 方言や口ぐせ:親がよく使う言い回しや、地元のことば。
- 助言:「孫たちに知っておいてほしいことは?」と聞いたら、あとは黙って待ちます。手紙で残す方法は子どもへの手紙のガイドにまとめています。
離れて暮らす親の声を残す
実家が遠い場合や、海外に住んでいて親が日本にいる場合、孫がおじいちゃん・おばあちゃんの声を聞けるのは、たいてい電話かビデオ通話です。通話の声も残せます。
- iPhoneの通話録音:Appleによると、通話録音は一部の地域と言語でだけ使えます。録音中であることは双方に音声で知らされ、録音はメモアプリに保存されます。Appleは、始める前に相手の同意を得るよう求めています。住んでいる国で使えるかを確認しましょう。
- スピーカーと別の端末:LINEのビデオ通話などをスピーカーにして、別のスマホやタブレットで録音します。音質は落ちますが、どの通話アプリでも使えます。
- 実家の近くの家族:きょうだいや親戚に、親の短い話を録音して送ってもらう方法もあります。
- 決まった時間の短い通話:時差がある場合は、親の生活のリズムに合わせて時間を決めましょう。たとえば毎週日曜の夕食後に10分話す方が、たまの長電話より続きます。
通話の録音についての決まりは、国によって違います。どの国でも、録音する前に相手に伝えて、了解をもらいましょう。
物忘れが増えてきたとき
録音は短くしましょう。日付や名前を聞く質問より、よく知っている話題や昔の歌の方が、話しやすいことが多くあります。自分が覚えている話と違っていても、訂正しないでください。調子のよくない日は日を改めるか、親が孫と話している声をそのまま録りましょう。
お金・介護・医療のこと
「親に聞いておきたいこと」を調べると、預金や保険、介護、医療、お墓の話がよく出てきます。どれも大事な話ですが、このガイドでは詳しく扱いません。思い出の話とは、日を分けて話す方が切り出しやすくなります。医療やケアの希望を、家族や医療・ケアチームと前もって話し合うことを、厚生労働省は「人生会議」として紹介しています。リンクは下の出典にあります。
録音した声の保存
録音は、気づかないうちになくなることがよくあります。スマホのボイスメモやLINEのトークに残ったまま、機種変更やトークの削除で消えてしまいます。録った日のうちに、次の3つをしましょう。
- ファイル名:誰が、何を、いつ話したかがわかる名前を、「お母さん、子守歌、2026年10月12日」のようにつけます。
- 2つ目の保存先:録音したスマホとは別の場所に置きます。
- ひと言の説明:何の話か、誰がその場にいたか、聞く人が知っておくとよいことを書きます。
保存先も考えておきましょう。親が了解したのは家族のための録音で、インターネットに公開することではありません。録音は家族だけが聞ける場所に置きます。声からAIで本人そっくりの声を作るサービスもあります。親の声をそうしたサービスに渡す前には、本人に聞きましょう。
Dear Momentで声を残す
Dear Momentは、写真、動画、メモ、ボイスメモを残せる、家族だけの日記アプリです。アプリでボイスメモを録音すると文字起こしもされるので、聞くことも読むこともできます。日本語のボイスメモも文字になります。思い出にはそれぞれ日付があり、同じ日の写真と並んで残ります。誰に見せるかは思い出ごとに選べます。お母さんの子守歌は家族みんなと共有し、別の録音は自分だけにしておく、という使い方ができます。共有した思い出は、家族が専用リンクから開けます。アプリもアカウントも不要です。リンクを知っている人は誰でも見られるので、送る相手は選びましょう。
思い出を見られるのは、自分と選んだ人だけです。インターネット上に公開されることはありません。広告はありません。データはEU(欧州連合)内に保存しています。データや録音した音声を売ることも、AIの学習に使うこともありません。子どもの毎日の記録の残し方は、成長記録アプリのガイドにまとめています。
よくある質問
親に聞いておきたいことには、どんな質問がありますか?
子どものころの家、学校、最初の仕事、出会いと結婚、子育て、家族の料理など、親自身の人生について聞く質問です。「子どものころは楽しかった?」より「子どものころ、どんな家に住んでた?」のように具体的に聞くと、話が広がります。1回の録音に、質問は1つで足ります。
親の声を残すには、どう録音すればいいですか?
ふだん使っているスマホで十分です。テーブルの上、腕を伸ばしたくらいの距離に置き、30秒から2分ほどの短い録音を、帰省のたびに少しずつ重ねます。笑い声や、孫の名前を呼ぶ声のような短いものから始めましょう。
離れて暮らす親の声は、どう録ればいいですか?
まず親に了解をもらいます。iPhoneの通話録音は一部の地域と言語でだけ使え、録音中であることが双方に音声で知らされます。LINEのビデオ通話などはスピーカーにして、別のスマホやタブレットで録音する方法もあります。実家の近くに住む家族に、短く録音して送ってもらうこともできます。
親が録音をいやがったら、どうしますか?
その気持ちを尊重し、こっそり録音するのはやめましょう。録音は孫のためで、インターネットに公開するものではないと伝えます。人生について話すより、絵本を1冊読んだり、歌を1曲歌ったりする方が、引き受けやすい人も多くいます。
方言のまま録音してもいいですか?
問題ありません。親がふだん話すことばで録音しましょう。標準語に直して話すと、話し方が硬くなりがちです。孫が海外で育ち、日本語があまりわからない場合は、何の話かを孫の読めることばで短く書き添えておきます。
出典
- iPhoneの通話録音(2026年10月29日に確認):Appleサポート「iPhoneで通話を録音して文字に起こす」
- 医療やケアの希望を家族や医療・ケアチームと話し合うこと(2026年10月29日に確認):厚生労働省「人生会議ポータルサイト」
- Dear Moment:料金とよくある質問、プライバシーポリシー(英語)、チーム紹介(英語)
次の帰省で、最初の1本を録音しましょう。思い出5件までは無料で残せます。カード登録は不要です。サブスクリプションは、すべて14日間の無料トライアルから始まります。料金は国や地域によって異なります。登録する前に、App StoreまたはGoogle Playで確認できます。無料トライアル中に解約すれば、料金はかかりません。
